デジャビュのような日々


黒檀 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

黒檀 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)


★★★★★

 ポーランド人の著書が、記者としてアフリカに滞在していた日々を回顧したドキュメンタリー短編集。アフリカ入門の教科書というかんじ。アフリカ大陸一つとっても、その中に国が沢山あって、地域ごと、それどころか部族ごとに文化が全然違う。それをひとつずつ丁寧に紹介してくれて、とても勉強になりました。アフリカにおける部族間の軋轢がいかに深いかとか、時間の流れ方とか、なんで内陸部は発展しないのかとか、ルワンダの紛争の詳細なあらすじとか、本当にいろいろいろいろ面白かった。こんな本読んじゃったらいますぐアフリカ行きたくなっちゃう。だから、最近、チュニジアにもう一度行きたいなーと毎日のように思っています。(特にチュニジアの記述はこの本にはないのだけれど、見渡す限りの地平線といったら、私にとってはチュニジアの記憶になってしまう)
 読み終わったあと、思わずアフリカ大陸の地図に魅入ってしまったんだけど、アフリカ大陸って、ヨーロッパとかアメリカとか全部入れてもまだまだ入るくらいめちゃデカイ大陸なんだって、前教えてもらったよ!!すごい!!



兄弟 上 文革篇 (文春文庫)

兄弟 上 文革篇 (文春文庫)


★★★★

文化大革命から現代までを生きたある兄弟の話。(フィクション)これ、面白かった!!下ネタ満載で、出てくるネタも豊胸クリーム売ってみたり、処女膜コンテストなる美少女コンテストみたいなものやってみたりって、なんじゃそりゃ的な話ばっかなんだけど、おもしろかった〜。特に勉強になったのが、文化大革命の話。この話にでてくる兄弟は、幼少期に文化大革命を経験するのだけれど、その描写がすさまじい。子どもの視点から日々のできことが伝えられるために、文化大革命の政治的、歴史的あらすじは追えないのだけれど、こんなことが毎日起こったのか!?っていうほど、凄まじい毎日。英雄だったお父さんが次の日にはみんなに殴られてたりとかして、文化大革命という名前は知ってたけど、実態は知らなかったので、目から鱗だった。




★★★

ガルシア・マルケス自身も一番の傑作だと太鼓判をおすくらいの作品「予告された殺人の記録」。だけど、私はいまいち。それより、後に続く短編が面白い。